内心は不安でいっぱいなのに、頼られてばかりで「本当の自分を出せない」と感じるとき、ありませんか?
自信がないから行動して、現実の動きを見ながら情報を集め、検証しながら進めているのに。いつのまにか自信家に見られている。
この理由はシンプルに「動くから」です。
未知の世界に飛び込むワクワク感から、どんどん形にできるのは楽しいけど、あまりにも「できる人」に見られると弱音も本気にしてもらえないんですよね。
だから動く範囲を狭めるのではなく、マイペースに好奇心を満たしていって、結果的に周りの評価がついてくるようにした方が、自分も相手も楽しめる好循環につながります。
不安になると動きが活発になる人
集団でなにか進めるとき、だいたい3パターンに分かれます。
- 周りが動き出して結果を見てから動くタイプ
- 最後まで遠くから観察するタイプ
- まず動いて結果を見ながら結論を出すタイプ
こんな感じ。
で、やっぱり、動きが早くて活発な人ほど「頼りになる」と言われるし、自信を持っているように見られます。だけど動く理由によって、同じ行動をしても目的が違うんですよね。
自信があるから積極的に行動する人だけじゃなく、不安だから動いて反応を確認したい人もいるんです。
後者の場合、動けば動くほど、周りとの温度差を感じて孤独感が高まります。
自信があるように見られる
不安を払拭するために動いた結果どうなるかというと、自信があるように見られるんですよね。
さらに表情や喋り方に緊張が反映されない人だと、内心めちゃくちゃ動揺して心臓バクバクなのに、サラッと軽くこなしてると思われる。
パニックになっていることや、疲労困憊していることが周りに伝わらない。弱さを見せようとしても、どこか冷静に「大丈夫でしょ」っていう雰囲気を出される。
真剣さが伝わってない気がしてイライラするし、かといって誰も助けてくれないから、みんな自分勝手に要領よくやっているように見えて、よけいイライラする。
挙句の果てに「私は集団生活に向いてないのかな?」なんて、自分の協調性のなさが原因かと思い始めちゃう。
っていう人、実はけっこういます。
こういうときに「大丈夫だよ」と励まされても、ポジティブに受け取れないんですよね。
本当は逃げたくて、結果を保証してほしくて、不安に押しつぶされそうだから動いているのに、突き放された気分になる。「けっきょく孤独に頑張らなきゃいけないのか」というプレッシャーに感じるんですよね。
「あれだけ動くんだから相当自信があるんだろう」と思われるかもしれないけど、命を守るために動く人もいるのです。
命を守るか?好奇心か?
不安で自信がないのに自信家に見られてもっと頼れなくなるのは、動くからなんですが。
じゃあ、動かないようにしよう!っていう対策は、あまり有効ではありません。行動そのものではなく、動機に着目してください。
なんのために、なぜ動いているのか把握していると、同じ行動でも見える景色が変わってきます。
とくに、次のような考えがありませんか?
- 他人の期待に応えることが自分の存在価値である
- 依頼されたものは好き嫌いを考えず確実に提供する
これらは、好奇心の源泉であり、外的から命を守る防衛本能でもあります。プラスに働けば充実した結果をもたらすけど、過剰になると心身のバランスを崩します。
条件反射的に「やらなきゃ!」となっていると、いつのまにか防衛本能の側面が強くなって、動けば動くほど空回りするんですね。
不安を埋める行動であっても、好奇心から興味が湧いて、「不安で自信がないけどやってみよう!」と動いたときは、どんな結果であっても楽しいので充実感は高まります。
これは命の安心を求めるというよりも、「人生を楽しみたい」という欲求を満たす行為だからです。
無理に不安を消そうとしない
不安そのものを消そうとせず、行動をセーブしようともしない。やることは、たったひとつ。
「あ、いま不安から動こうとしているな」と心の動きに気づけるようになることです。
そして「これって命を守るため?人生を楽しむため?」と、一呼吸おいて自分を観察して、期待に応えることに偏り過ぎていないかチェックしましょう。
自覚したうえで動けば、パニックも和らいで、視野が狭くなるのを防げます。そして適切に他者にSOSを出すことができるので、マイペースに好奇心を満たしつつ、やりたいことに集中できますよ。