自分を変えたい、内面を磨きたい、と決意したとき「性格って変わるの?」と疑問に思ったこと、ありませんか?
ことわざに【三つ子の魂百まで】とあるように、小さいころに身に着いた内面的な傾向は、その後一生変わらない、という見方もあります。
現在一般的なのは、性格は先天的な気質と、後天的な環境が互いに影響しあって形成されるという説です。
先天的な気質は生涯変わらず、後天的に身に着いた部分は比較的変化しやすいと言われています。また性格の捉え方には、類型論と特性論という2種類があります。
性格を変えたいと思ったら、「変わる部分、変わらない部分」を知っておくと、具体的なアクションにつなげやすくなりますよ。
性格の変えられる部分とは?

私たちが普段「性格」と呼んでいる、人間の内面的な部分は、大きく2つに分けられます。
性格という言葉は広い意味で使われますが。ここでは性格タイプ論の視点から、先天的な部分と、後天的な部分の違いを説明します。
人格:パーソナリティ
人格は英語で「パーソナリティ」となり、後天的に身に着けた部分です。パーソナリティはペルソナの語源で、仮面という意味になります。
パーソナリティの部分は役割性格とも呼ばれ、環境に適応するために身に着けるもので、比較的変化しやすいと言われています。
- 会社で仕事をするとき
- 家庭で母親として子どもに接するとき
- 趣味のサークルで友達と話すとき
こうした日常のシーンに合わせて、必要な振る舞いを獲得するために、パーソナリティが形成されていきます。
日常会話で、「あの人は優しい性格だ」とか「私は大人しい性格です」と表現するときは、パーソナリティの部分を指しています。
性格:キャラクター
性格タイプで扱う性格は、英語で「キャラクター」となり、先天的に持って生まれた部分です。気質とも呼ばれ、生涯変わらないと言われています。
遺伝子やホルモンとの関係も研究されていますが、まだまだ、解明されていないことも多いです。
キャラクターは花の種のようもので、一人ひとり違う種をもって生まれ、成長しながら花を咲かせていくんですね。
種から花に成長していくという意味での「変化」はあるけど、もって生まれた性質そのものは変わりません。
人格は変化するけど気づきにくい
人格(パーソナリティ)は、環境に適応するために身に着けた役割性格で変化しやすいけど、気づきにくい場合もあります。
長年ペルソナとして使ってきた役割性格が、もって生まれたキャラクターであると認識しているかもしれません。
ふとした瞬間に出てくる性格(キャラクター)の部分を、「これは私らしくない!」と感じているかもしれません。
特性論と類型論の違い

性格の捉え方は、特性論と類型論という2種類があります。特性論は後天的に身に着けたパーソナリティ、類型論は先天的なキャラクターに焦点を当てます。
世のなかの主流は特性論ですが、類型論と合わせて内面を見てみると、人々の多様性に気づけます。
特性論は相対的
特性論は相対的な見方です。すべてに共通する要素の、量や程度の違いに重きを置きます。
果物の例
- 糖度(甘さ)
- 硬度(硬さ)
- 値段
など
特性論は、行動から測定される膨大なデータを使って数値を出し、その結果から理論を導き出します。
誰もがもっている特性が、観察可能な行動にどれくらい反映されているかを見ているんですね。
果物なら、りんご、みかん、バナナ、すべて「甘さ」「硬さ」という数値で比較できます。「糖度が高い」というように量や程度の差によって相対的に見分けることができます。
性格の例
- 明るい
- 優しい
- 積極的
など
「あの人は積極的だ」と表現するとき、なにかしら基準となる行動をイメージしますよね。自分より発言する回数が多いとか。よく飲み会に誘ってくるとか。こうして比較によって表現できるのが特性論です。
ストレングスファインダー ビックファイブ
類型論は絶対的
類型論は絶対的な見方です。それぞれが質的に固有のものであるという前提のもと、カテゴリーに分類します。
果物の例
- りんご
- みかん
- バナナ
など
類型論でも行動を観察してデータを取りますが、理論や前提が出発点としてあります。
りんご、みかん、バナナは「果物である」ということは共通しているけど、「りんご」は「りんご」だし、「バナナ」は「バナナ」です。それぞれ質が異なるので、「りんご度が高い」といった表現はできません。
性格の例(MBTI)
- ESFJ
- INTP
- ISFJ
など
こうしたタイプは、心の働きを紐解く理論によってカテゴリー分けされますが、もって生まれた性質が異なるという絶対的な見方をする類型論になります。
性格の変わる部分、変わらない部分
性格の捉え方はアプローチによって違います。
もって生まれた先天的な部分は「キャラクター」と呼ばれ、生涯変わらないと言われています。種が成長し花を咲かせるという意味の変化はしますが、性質そのものは変わりません。
一方で後天的に身に着く「パーソナリティ」は、役割性格として環境に適応するために身に着けたものです。
こちらは比較的変化しやすいですが、長年の習慣によってキャラクターと見分けにくくなっているかもしれません。その場合は、気づくのに時間がかかり、体感的には「変わらない」と感じることもあります。
キャラクターに焦点を当てるのは類型論、パーソナリティに焦点を当てるのが特性論です。このふたつは、どちらが優れているというわけではなく、目的によって使い分けるのが良いです。
類型論は比較せずに絶対的な見方をするので、その人がもって生まれた性質を捉えるのに適しています。特性論は日常的に馴染みがあって、自他ともに観察可能な行動ベースで見て行きたいときに適しています。
「性格を変えたい」と思ったら、変わらない部分があることを考慮したうえで、変えやすい部分から取り組んでいくのがオススメです。
性格タイプ(類型論)を使って生きやすくなるには、下の記事で紹介する3つのポイントを押さえておきましょう。
