パーソナリティは後天的に身につけた役割性格、キャラクターは先天的に持って生まれた気質です。
性格という言葉は広い意味で使われますが、心理学の視点でみると日常会話とは少し違ったニュアンスになります。
さらに心理学のなかでも、領域によって使われ方も微妙に違ってきます。
私は性格タイプ論(心理学的タイプ論)を扱っているので、その立場からパーソナリティとキャラクターの違いを解説していきます。
パーソナリティとキャラクターの違い

私たちが普段「性格」と呼んでいる人間の内面は、先天的に持って生まれた部分を基にして、環境に適応するために後天的に身につけた反応パターンによって形成されています。
先天的な部分をキャラクター、後天的な部分をパーソナリティと呼びます。
パーソナリティは後天的
パーソナリティ(Personality)は人格と呼ばれ、行動で観察しやすい特徴があります。
PersonalityはPersona(ペルソナ)が語源です。ペルソナは仮面という意味があり、劇で役を演じるときに身につけることから、パーソナリティは役割性格とも呼ばれています。
たとえば、会社で部長をしているお母さんなら、
- 会社では「部長」
- 子どもといるとき「母親」
- 夫といるとき「妻」
- 実家の両親といるとき「子ども」
といったように、1人の内面にさまざまな役割としての振る舞いがあります。こうしたペルソナを身につけることで、日常生活がスムーズに送れるんですね。
キャラクターは先天的
キャラクター(character)は性格と呼ばれ、もって生まれた気質です。
英語のcharacterには「刻み込まれたもの」という意味があり、本質的な内面を表すときに使われます。
遺伝子やホルモンとの関係も研究されていますが、まだまだ解明されていないことも多いです。
もって生まれたキャラクターをベースに、成長の過程でパーソナリティが作られます。
こうした性格の見方は、特性論と類型論に区別されているので、さらに詳しく知りたい人は下の記事を参考にしてください。
心に与える影響
パーソナリティは環境適応のために身につけますが、いつ・どのように獲得したか本人も忘れしまい、あたかも生まれ持った性質であるかのように感じることもあります。
社会生活を送るうえで必要なんですが、キャラクターとかけ離れた振る舞いを過度に強いられると、心の不調として影響が出る場合があります。
周囲の期待や、仕事で求められることと、本人のキャラクターに葛藤があるとか。人生の重大な問題によって、適応方法がわからなくなっているとか。
もっと大きな視点でいくと、社会・文化的な影響も考えられます。
生まれ持った性質を知ったうえで、環境に適応する役割性格をコントロールできるようになると、心の成長につながります。