自分がHSPやHSSであると気づいたとき、「恋人や家族に理解してほしいな」と考えますよね。
自分で自分のことがわからなくて、なにを悩んでいるのかもわからない状態から「これが原因だった!」と言語化できたら、身近な人にも伝えたい。
それと同時に伝え方にも悩む。病気ではないけど、どんな反応が返ってくるかわからないから不安になります。
これね、やり方が少しずれてしまうと、自分が傷つく結果になってしまうんですよ。
「思ったような反応がもらえなくて、どうしたらいいかわからない」と相談に来る人もいます。
この記事では、HSPやHSS気質について周りに伝えるときのポイントを解説します。認知度に関係なく、どんな相手にも使える方法です。
自分の性質を知ってもらい、そのうえで楽しく過ごせる人間関係を築く。そのためにHSP/HSSの特徴を使って自分を紐解き、価値観の合う人を選んで自然体で過ごせるようにしていく。
HSP/HSSという言葉を使わない
基本的にHSP/HSSという言葉を使わずに、自分を表現する言い回しを考えた方が応用が効きます。
相手に自分と同じ熱量で興味をもってもらうことを望むと、リアクションが薄かったときに寂しくなるから。
まずHSP/HSSという言葉を使わずに、相手がどこまで内面の世界に興味をもつ人なのかジャブを打った方が良い。
この方法は、私の経験でも言えることだし、クライアントさんからも「このやり方で交流を深めることができた」と報告を受けているので、実証済みです。
HSPという言葉を絶対使うなっていう意味じゃなくて。
本をそのまま渡したり、定型文みたいな特徴を伝えたところで、相手は「で???」ってなるんですよね。(実際やった人がここにいる)
気持ちとしては、
「私の扱い方を考えて」
「私の弱さを受け入れて」
みたいな部分があったり。困っているから解決してよ、みたいな。相手に依存しすぎていたなぁと振り返って思います。
職場で上司に伝えたけど対応してくれないと教えてくれたクライアントさんも、詳しく状況を聞くと、ただHSPの説明をしているだけだったりするんですよね。
こういう現象が起きる背景には、自分自身がHSPを踏まえて「どうしてほしいのか?」を理解していないという根っこが埋まっています。
自分の言葉に置き換えて伝える
ここで話しているのは、HSP/HSSの啓蒙活動でもなければ、その言葉を相手が使ってくれるようにコントロールする方法でもありません。
自分が自分のことをちゃんと知って、心地よく人間関係を築いて、適度な距離感で過ごせるようになるために、気質という考え方を使うものです。
そこを踏まえて、やることは次の3ステップ。
HSPやHSSの特徴を自分なりの表現で説明できるようにする
HSPやHSSという言葉を使わずに自分のことを話してみる
話しが合いそうな相手には「HSP」という言葉を伝えてみる
たとえば、

私は一度落ち込むと3日は立ち直れないんです。同じ言葉が頭でグルグルして、寝るのも大変なんですよ
こういう言い回しだと、HSPだけじゃなく、だれでも当てはまりそうな雰囲気がありますよね?
相手がHSPじゃなくても、共感してくれたり、興味を示してくれる可能性が高いです。
全然違うタイプの人でも、あなたの特徴を伝えるという目的は達成されるので。相手のリアクションに左右されずに、自分の性質を相手に伝えることができます。
次に、相手が話しやすい人だったり、共感的な人だったり。
なにかしら、あなたの感覚で「言えそうだな」と思ったら、雑談の延長でHSPの話題を振ってみるのもアリです。
最近は本屋さんでも専用コーナーが設けられているので、名前だけは知ってるよ!とか言われるかもしれません。
カミングアウトという言葉の違和感
ここまで説明しといて…なんですが。
私、HSPに対して「カミングアウト」という言葉を使うの、あまり好きじゃない。
病気ではないし、ただの気質なので。マイノリティであることを強調する感じがして、とても違和感があります。
ただね、気持ちとしてはカミングアウトっていう言葉がしっくりくるのも、わかるんですよ。
私は家族に話すとき、なにか病気を告白するような気分になったから。
それまで自分のタフな面を強調していた人は、繊細な面を伝えるのは勇気がいるだろうし。違う自分の一面を人に伝えるのは、どんなことであっても怖いです。
とはいえ、HSPに関しては、肌の色・目の色と同じように、人間が生まれ持った性質の話です。外見の特徴に置き換えれば、背の高さ、髪質、肌質、爪の形、みたいな。その部分の違いだけです。
なんだけど!
少数派であるというだけで、やっぱり「分かち合えない感覚」っていうのは、どこかで生じるんですよね。そこを1番デリケートに感じているのが本人です。
- 自分の感覚は周りとなんか違う気がする
- 感じたことをそのまま話しても変な顔される
こういう経験が積み重なって、無自覚の疎外感をもっているケースもあります。
なので、気持ち的にはカミングアウトという言葉を使いたくなるのが、とてもわかるんですよね。
私が好きじゃないのはマスメディア(第三者)が、あたかも人間として欠落している部分を公表したような表現で「タレントの○○さんがHSPをカミングアウト」と使うのがイヤなんだと思う。
うん、いまハッキリした。
なんのために理解してほしいのか明確にする
「思ったようなリアクションがなかった」と落胆する人ほど、
どうしてほしいのか?
どう付き合いたいのか?
という部分が一方的になっているんですね。
どんなことでも、やっぱり練習は必要なんですよ。コミュニケーションも練習だし、自分のことを理解して人に伝えるのも練習が必要です。
人との距離感が取れないとか、依存的とか、メンタルの要因も少なからず絡んでいるけど、大部分は単純に慣れていないだけですよ。
自分自身の気質の特徴も、何度も繰り返し言葉にして人に伝えることで、しっくりくる表現が身についていきます。
どうしてほしいのか?というのは、本当小さなことでいいんです。
「ただ聞いてほしい」という目的でも、ちゃんと自覚したうえで伝えれば、それは明確になっているってこと。
それから、職場の上司や家族、恋人など、生活環境を整えるうえで重要な人たちには、時間をかけて自分を理解してもらう心構えも必要です。
1度で完璧に理解してもらおうと意気込むと、伝わらないときフラストレーションに繋がりがち。
大切な人ほど、手を変え品を変え、少しずつ何度も伝える気持ちでいた方が、結果的に良好な関係を築けます。試してみてください!



それができないから苦労してるんだ!
という人は、気質を活かす4つのポイントのうち、どれかが足りていないかもしれません。↓の記事で確認してみてくださいね。