こんにちは、ももかです。@momohsphss
HighlySensitivePerson(HSP)は、心理学者であるエレイン・アーロンが提唱した気質のことです。
- 相手の気持ちを自分のことのように感じる
- 表情筋の微妙な動きや声のトーン、喋るスピードの変化などに自然と意識が向く
といった傾向があり、高い共感力と刺激を受けやすい特徴があります。
テレビで悲しいニュースを見ると、感情移入しすぎてグッタリ疲れてしまう。相手の表情のわずかな変化から気持ちを察知している。
こうした現象は、感覚差次感受性と呼ばれ、HSPの発達したミラーニューロンや右脳の働きによるものだと言われています。
※HSPの30%は外向的でHighlySensitiveExtravertion(HSE)と呼ばれています。
HighSensationSeeking(HSS)は、心理学者のマービン・ズッカーマンが提唱した性格特性です。HSS型HSPとは、HSP気質とHSS気質の両方をもった人になります。
好奇心が泉のように湧いてきて、強い刺激を求めて次々に行動に移します。
動きを見たり本を読んだり、ある程度インプットするだけで真似できて、短期間で成果を出すことができる。
評価されてリーダーに抜擢され、表向きは問題なく社会に溶け込んでいるように見えます。
ところが内心は傷つきやすく、自分自身を厳しく評価し、他者の気持ちを自分のことのように感じて落ち込みやすい。
パーソナリティ障害?躁うつ病?発達障害?と疑って調べてみるけど、どれも当てはまるようで微妙にしっくりこない・・・という悩みを抱える人もいます。
この記事では、高い共感力によって生きづらさを抱えている人、両極端な二面性に振り回されて疲れている人が自分を活かすヒントを紹介します。
HSS型HSPの「退屈感受性」
SnsationSeek(センセーションシーク)とは、日本語で感覚探索という意味です。
HighSenseationSeekingとは、心理学者のマービン・ズッカーマンが提唱した、多様で斬新で複雑な感情や経験を探求し、そのためのリスクを冒す性格特性です。
マービン・ズッカーマンが提唱した感覚探索の尺度のひとつが「退屈感受性」です。
HSSは退屈感受性が高く、反復行為や(本人にとって)退屈だと感じる状況を避けようとします。
HSS型HSPが反応する「飽きる」と「続かない」は、ここから来ている可能性が高いのです。(ほかにも様々な要因が相互に影響しあっていますが…)
こうした特徴は、持って生まれた生物学的な内面の特徴(=気質)、広い意味では『性格』なので病気ではないんですね。
そうはいっても、日常生活では生きづらさを感じ、複数の分野にまたがって影響が出ていることも少なくありません。
たとえば、次のようなお話を聞くことが多いです。

HSS型HSPの特徴(よく聞くお話)
人間関係
- 初対面で一気に仲良くなったけど、親密になると急に関わり方がわからなくなる
- 自然と相手の期待値を察している
- 複数人で過ごすときは全体最適を考える
- 会話の微妙な空気を察して盛り上げる(自虐ネタを入れることも)
- あとから「余計なことした」と激しく自分を責める
- 苦手な人ほど気に入られようとご機嫌取りをしてしまう
- とつぜん関係をリセットしたくなる(人間関係リセット症候群)
- 自分から好きになったのに、相手の好意がわかると気持ち悪さを感じる(蛙化現象)
仕事
- 未経験のこと、他の人が興味ないこと、追求できそうなことを見つけるとワクワクする
- リスクがある方が興味をそそられる
- ほかの人よりも評価を得るのが早い
- すぐベテラン扱いされる
- やりたいことを選んでいるはずなのに転職をくり返す
- 休むことに罪悪感がある
- 1日の終わりに動けなくなってグッタリしている
自己評価・自己肯定感
- 人の目を気にしすぎる自分を激しく責める
- 繊細、傷つきやすいと言われてもピンと来ない(人から言われることもあるが自分ではピンとこない)
- 落ち込んでいる姿を見せることに抵抗を感じる
- 小~中学生のころ、気を利かせた(よかれと思ってやった)行動を強く非難された経験がある
- どこか集団に馴染めない感覚をずっと持っている
- 自分のことを話すのは恥ずかしいことだと思う
親子関係
- 思春期までに大人の期待値をコントロールすることを学んだ
- 親に対して「人間だから色々ある」と言い聞かせる
- 幼いころから大人は頼れないと感じていた
これらは、私に興味をもって来てくれたHSS型HSPの方の特徴なので、すべてを表現しているわけではありませんが。
それを踏まえて共通しているのは、小さいころから相手の顔色を伺って、集団に馴染めるように、仲間外れにならないように、他者や環境にあわせることを学んでいる人が多いこと。
「どこか自分に嘘をついてる気がする」とおっしゃった人もいます。
HSS型HSPが詳しくわかるオススメ書籍
HSPの抱える恐怖心
生きづらさ・心の傷を抱えたHSP気質の方は、生きることそのものが緊張の連続です。
人間の脳は命を守るために、幸福感より危険を感じやすいようにプログラミングされていて、HSP気質をもつ方は、危険を察知するセンサーが優位に働きやすいと言われています。
外敵から身を守るために、高い共感力や豊かな感受性を使っているんですね。
さらにHSS型HSP気質の方は、行動して危険を回避しようとする傾向もあります。
こうした現象の背景にあるのが、生きることへの恐怖心と、自分の気持ちを後回しにして適応しすぎちゃうこと。
- 自分自身に意識を向ける恐怖
- 周囲とつながりが切れる恐怖
- 拒絶される恐怖
など。
恐怖心から身を守るために、カメレオンのように環境や相手にあわせることで対処しちゃうんですね。なので、「安心感」を体感することが必要になってきます。
気質を活かす4つのポイント
気質を活かすポイントは大きく4つあります。
- 気質が影響した「ものの見方・感じ方」を知る
- 生活習慣を見直す
- トラウマ・コンプレックス・考え方の癖に取り組む
- 仕事や対人関係で実践する
これは「ステップ1を完璧にしてからステップ2へ」みたいなマニュアルではないので。ざっくり全体で必要なことをご紹介していると思って読み進めてくださいね(^-^)
気質が影響した「ものの見方・感じ方」を知る
生まれもった気質は「ものの見方・感じ方」に影響を与えます。個人差はあるけど、全体的な傾向として知っておくと、ポイント2~4も進めやすくなります。
このブログではチェックリストを公開しているので、あわせて参考にしてください!
生活習慣を見直す
HSPであることに気づくと「自分を大切にしたい」と思う人も多いです。
なにから始めればいいの?と思ったら、まずはストレスフルな生活習慣を見直しましょう。
些細な刺激に強く反応するHSPは、普通に生活していて体力・気力を消耗しやすいです。
カフェインや砂糖、添加物など食べ物の刺激に影響を受けやすかったり、神経が高ぶって睡眠の質が悪くなったり。
HSSは自分に繊細な面があると知らずに、適切なダウンタイムを取らずに動き続けている傾向もあります。
静かな場所でひとりになれる時間を定期的に取りましょう。
心の傷に取り組む
体のケアを進めつつ、心のケアにも取り組んでいきましょう。
先天的な内面の特徴(気質)は、後天的に身につける感情・思考の傾向に影響を与えます。
トラウマ、コンプレックス、考え方の癖など、根深く埋まった負のパターンを紐解いて、違った角度から捉えられるようにしていきます。
高い共感力や両極端な二面性をもつ人は、生きづらさも複雑に絡まっていて、自分を責めがちなんですね。
次のような傾向がある場合、過去に受けた心の傷をしっかり癒していく必要があります。
- 自分に意識を向けると体がこわばる
- 自分の気持ちに触れないようにする
- 「あなたはどう思う?」と聞かれると頭が真っ白になる
- ストレスを小さく見積もる
- 強い刺激を求める
- 人、行為、物質に依存する(苦しいのに離れられない)
仕事や対人関係で実践する
仕事や対人関係のなかで、自分の性質を発揮できるように実践していきましょう。
やっぱりね、生きづらさって、人との関わりのなかで積み重なるものなんですよね。
自分が求めていることを頭ではなく体で感じられるようになると、自然と最適な選択ができるようになります。
そのためには、ちょっと怖いけど、生身の人間相手に気持ちを伝える練習も必要になってきます。
インタビュー(外部リンク)
HSS型HSP気質の持ち主で活躍している人にインタビューをしました。別サイトに掲載しているので、よければ一緒に参考にしてください。