こんにちは、ももかですmomoka_hsphss
エニアグラムには、9つのタイプとは独立した「3つの本能」という分類の方法があります。
人間には、自己保存的本能、性的本能、社会的本能、という3種類の生存本能があり、人によって優先順位が異なるという見方です。
本能の優先順位は、人の行動の動機に大きく影響を与えます。
9つのタイプとは独立した指標ですが、同じ本能の優先順位でも、タイプによって表れ方には特徴が出てきます。
エニアグラム3つの本能とは?

エニアグラムの「3つの本能」とは、動物がもつ生存本能を指します。
- 自己保存的本能
- 性的本能
- 社会的本能
私たちは、命を守るために家を用意し、食事をします。
そして種の保存のために、パートナーを見つけ生殖行為によって次の世代につなげます。さらに群れを作って、外敵から身を守ったり、役割分担をして種全体として存続のために動きます。
こうした行為は本能によって突き動かされ、優先する本能には個体差があります。
3つの本能のどれを優先するかによって、行動やライフスタイルに影響が出てくるんですね。
自己保存的本能型
自己保存的本能型は、身体的な安全、身の回りの快適さを求めます。食べ物や衣類、住居、お金、健康といった領域に関心が向く傾向にあります。
関心が向くもの
- 部屋の温度
- 椅子の座り心地
- 好みの肌触りの衣類
- 支払いの期日
- 安心する食べ物
など
自己保存的本能型にとって、安心する「巣作り」が行動のエネルギーになります。
カバンのなかに定番のおやつが入っていたり、オフィスで快適に過ごすグッズの収集に時間を使ったりします。
性的本能型
性的本能型は、魅力的な相手や体験との親密なつながりを求めます。単にセクシーだとか、セックス好き、というわけではありません。
エネルギーの高いところに惹きつけられ、強烈な体験に関心が向く傾向にあります。
関心が向くもの
- 1対1の関係
- 「この人だ!」というビビッとくる感覚
- 夢中になるできごと
- 刺激的な会話・体験
- エキサイティングな映画
など
性的本能型は、人に対してだけでなく、興味のある対象に入り込みます。
自分だけでなく、パートナーにも魅力的であることを求め、「私とあなた」という関係性を作るために動きます。
社会的本能型
社会的本能型は、個々の人よりも、「場」全体に意識が向き、自分の世界で必要とされている感覚を求めます。
家族、地域、国、グループ、コミュニティといった領域で、人との活動に参加し、価値観の共有に関心が向く傾向にあります。
関心が向くもの
- 自分や人の役割
- 周りで起きていることを把握する
- 共通の目的をもって他者と関わる
- 「場」の中で起きる人々の駆け引き
など
社会的本能型は、人との関わりを求めますが、親密な関係になるのを避ける傾向にあります。
自分より大きなものの一部であるという感覚によって、安心感を得ようとします。
本能の優先順位

3つの本能は、人によって優先順位があります。
優勢する本能によって、関心の集中する領域があり、行動にも影響を与えます。盲点となる領域には意識が向きにくく、関わりが疎かになっていきます。
- 自己保存的本能が盲点の場合
-
適切に眠ったり、食べることを忘れたり、生活の基本的なニーズを満たすことができない。
お金や時間のマネジメントが後回しになる。
- 性的本能が盲点の場合
-
親密な関係をもったり、知的・情緒的に夢中になる経験を自然にできにくくなる。
自分が好むことはわかっていても、何かに興奮する、情熱をもつことが難しくなる。
- 社会的本能が盲点の場合
-
社会的なつながりを作ったり、維持する重要性を理解しにくい。
他者を必要としていないし、自分も他者から必要とされていないと感じることが多い。
優先順位は変わらない
3つの本能の割合は、人によって異なりますが、優先順位は生涯変わらないと言われています。
たとえば、
- 優勢本能→自己保存的
- 二次的本能→性的
- 盲点→社会的
こんな感じで、順番が同じ人でも、自己保存的な部分と、性的な部分がどれくらいの割合で存在しているかは、人によって差があるということです。
ただし、個人の優先する順位は年齢を重ねても変わりません。
ライフイベントによって意識する割合は変わる
本来の優先順位は変わらないけど、加齢やライフイベントによって、意識する割合は変わってきます。
だれでも病気をすれば健康に気を遣うようになるし、管理職になればチーム全体のことを考えるでしょう。
恋愛をすれば1対1の親密な関係に意識が向くし、子どもができれば快適な生活空間を整えてあげたいと思う。
状況によって、ある程度意識が向く先に変化があるものの、本来の優先順位そのものは変わらないんですね。
健全度による違い
3つの本能は、盲点以外にも「健全度」によって様子が違ってきます。健全度とは、ドン・リソによって提唱された9つのタイプの成長のレベルのことです。
エニアグラムでは、人の傾向性の違いを9つのタイプによる横軸と、成長のレベルという縦軸によって、心の働きの全体像を知ることができます。
各タイプが不健全な状態に陥ると、3つの本能にも影響を与えます。
- 自己保存的本能型の健全度が下がるとき
-
自分自身のケアが疎かになる。買いすぎたり、食べすぎたり、逆に排除しすぎたりする。
お金や実務的なことをこなすのに問題が生じる。摂食障害や睡眠障害になる可能性がある。
- 性的本能型の健全度が下がるとき
-
心を奪われたものに夢中になりすぎて、重要な責務や自分自身のニーズに疎かになる。注意が散漫になり、集中力が著しく低下する。
性的に放縦になるか、強烈に避けるようになる。
- 社会的本能型の健全度が下がるとき
-
人を嫌い、反社会的になり得る。その結果、社会的能力が発達しない可能性もある。
他者を恐れ、疑い、仲良く付き合うことができない。それと同時に、離れることもできない。
本能による衝動に気づく
エニアグラムの3つの本能は、行動の動機や価値観、人間関係に求めるものに大きく影響しています。
優勢する本能によって行動が駆り立てられ、盲点となる領域は、つい後回しになるんですよね。
また、優勢本能はタイプの課題が浮き彫りになりやすい部分でもあります。優勢本能が過剰になったり、健全度が下がってくるとバランスが取れずに問題へと発展するので。
本能の衝動に意識的になることで、自分を縛っている思い込みや固定観念に気づけるようになります。
人と接するときも、3つの本能の優先順位の違いは、それこそ「本能的に」感じ取ることができます。
話の意図を細かく説明されなくても理解できたり、逆に「言ってることはわかるけど、そこ気にする?」みたいな感覚になったり。
9つのタイプの基本的な特徴と合わせて見ていくと、より自己・他者理解が深まりますよ!
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