こんにちは、ももかですmomoka_hsphss
エンパス体質・HSP気質を研究して5年目、当事者の方から相談を受けるようになって4年目になります。
HSPの認知度が高まるにつれて、エンパスにも注目が集まっていますね。テレビ朝日のドラマ「相棒」でも取り上げられていました。
私の友人にもエンパス体質の子がいて、共感力が高すぎる人の生きづらさは理解されにくいものだなぁ……と、つくづく感じます。
私は自分のことを送信優位型の逆エンパスだと思っているので、少し様子が違うのですが。(後ほど詳しく解説します)
どちらにしても、生きやすくなるには、まず本人が自己理解を深めることが必要になりますので。この記事ではエンパス体質の特徴を解説したいと思います。
エンパスの特徴
エンパシー(empathy)とは、英語で「共感」という意味になり、エンパス(empath)は高い共感力を持つ人の名称として使われています。
基本的な特徴はこちら
- 他者の感情を自分のことのように感じる
- 相手の不快感と自分の不快感を区別するのが難しい
- 一緒にいる人によって自分の人格が変わるように感じる(離れると戻る)
- 体調不良の人と一緒にいると(直接関わらなくても)自分も体調が悪くなる
- 気圧や気温の変動、季節の移り変わりなど、自然現象に影響を受けやすい
- 不安や心配事があるとずっと考え込んでしまう
- 些細なことで落ち込みやすい
- ポジティブな気分とネガティブな気分の振れ幅が大きくて疲れやすい
- カフェインや砂糖、アルコールなど刺激物によって極端に気分の変化を感じる
スピリチュアル分野から発展
エンパスの提唱者は、エンジェル・セラピーで有名なローズ・ローズトゥリー氏です。
スピリチュアル関係のセミナーや出版を手掛ける(株)VOICEによって、ローズトゥリー氏の書籍が出版されたり、来日イベントが開催されたりして、日本での認知度が高まりました。
いまでこそ、多くの医療関係者がネット記事で取り扱うようになりましたが、私が知った当時は、HSP同様にスピリチュアル系のサイトで多く扱われていた時期があります。
※エンパスとHSPの違いについては、後述します。
エンパスの共感体質は生まれつき
エンパスは、高度に発達したミラーニューロンの働きによって、他者の感情を自分のことのように感じている可能性があると言われています。
さらに、生まれつきの高い共感力のある人が、不安の強い家庭環境で育ったり、虐待やネグレクトを経験したりすると、極度に感受性の強い大人になる傾向があります。
成長の過程で、共感力や感受性を自己防衛のために使うことを学ぶのです。
エンパスの6タイプ(ローズトゥリー氏版)
エンパスは高い共感力をもつ人を指す名称ですが、その共感対象には個人差があります。
ここでは、第一人者のローズトゥリー氏による6タイプと、アメリカの精神科医オルロフ氏による3タイプを紹介します。
わざわざ2パターン紹介するのは、どちらも捨てがたい、という私のオタク的発想。ただ、それだけです(笑)
ローズトゥリー氏による6タイプ
身体直感型エンパス
身体直感型エンパスは、他者の身体に起こっていることを直感的に感じ取ります。
ある人は、
電車で隣に座った人の臭いから「胃腸が悪そうだな」と、瞬間的に頭に浮かんだことがある
と教えてくれました。
マッサージ師、整体師といった職業に就く人もいます。
身体ワンネス型エンパス
身体ワンネス型エンパスは、他者の身体に起こっていることを自分の身体で再現します。
ワンネスとは一体化という意味で、他者と自分が一体化するんですね。
このタイプは気づきにくい特徴があり、自分が身体ワンネス型エンパスだと知らずに、原因不明の体調不良に悩まされている人もいます。
直感型は外から感じ取るものですが、ワンネス型は自分が同調して起こるものです。
感情直感型エンパス
感情直感型エンパスは、他者の感情を直感的に感じ取ります。
- 声のトーン
- 話すスピード
- 息遣い
- 表情筋のわずかな動き
こうした些細な情報から、瞬間的に「嫌がっているな」とか「嬉しそうだな」とか、頭にふっと浮かぶのです。
なので、相手がウソの感情表現をしていることも、すぐに見抜きます。
感情ワンネス型エンパス
感情ワンネス型エンパスは、他者の感情を自分のもののように感じます。
身体ワンネス型と同じように、気づきにくい傾向があり、自覚している人は少ないです。
直感型は「感情の所有者」を比較的自覚しやすいのに対して、ワンネス型は知らずに同一化するので、自他の区別がつきにくい特徴があります。
- 映画を観ると登場人物になる(考え方、喋り方、話す内容が強く影響される)
- 好きなもの、選択の基準といった価値観が、一緒にいる人「そのもの」になる
こうした現象が、本人の意思と関係なく、自動的に起こります。

私は憑依系と呼んでます
感情ワンネス型と感情直感型の違いは、下の記事で詳しく解説しています。
知的変容型エンパス
知的変容型エンパスは、他者の思考プロセスとつながり、自分のことのように体験します。
IQやテストの点数が高い、いわゆる「暗記系の勉強ができる人」ではなく。自分の知力に関係なく、知識をもっている他者に同一化し、その思考プロセスに共感するんですね。


ローズトゥリー氏の著書では、背表紙に「知的自己変容型」と表記があり、相手にあわせて自分を変化させている、という意味だと考えられます。
スピリチュアル・ワンネス型エンパス
スピリチュアル・ワンネス型エンパスは、人の内面をそのまま体験できます。
ローズトゥリー氏によると、この能力は、誰にでも備わっていると言います。
日本人のエンパスは5人に1人と言われていますから、「誰でも」というのは、エンパスではない人にも備わっているのか?と疑問を持ちたくなりますが。
私の解釈だと、他者の表面的な言動ではなく、言語化されない本質的な在り方を察知して、そこに共感する能力だと思っています。
心の深い部分で他者とつながる感覚ですね。
珍しいエンパス
ほかにも、エンパスの共感対象は多岐にわたります。
- 分子エンパシー
- 動物エンパシー
- メディカル・エンパシー
- ガーデニング・エンパシー
- クリスタル・エンパシー
など。
エンパスの3タイプ(オルロフ氏版)
ジュディス・オルロフ氏は、アメリカの精神科医でエンパスを対象にした治療をしています。
ローズトゥリー氏の分類よりもシンプルで、3タイプになります。
オルロフ氏による3タイプ
- 身体エンパス
- 感情エンパス
- 直感エンパス
そもそも、エンパスはワンネス型がベースで、そのなかに直観力に優れたタイプがいる、という考え方ですね。



うん、ローズトゥリー氏と言ってること同じだったね!
直感エンパスのバリエーション
オルロフ氏は、珍しいエンパスを直感エンパスのバリエーションとして紹介しています。
- テレパシー・エンパス
- 予知エンパス
- 夢エンパス
- 植物エンパス
- 地球エンパス
- 動物エンパス
など
フード・エンパス
フード・エンパスは、食べ物に影響を受けやすく、身体も感情も深く共感します。
エンパスは敏感な自分を守るために、刺激の強い食べ物を過剰に摂取することがあります。
食事はダイレクトに気分を変化させるので、どうしても依存的になってしまうんですね。
フード・エンパスの詳しい特徴と対策は、下の記事で解説しています。
送信優位型の逆エンパス


エンパスは他者のエネルギーを吸収するスポンジ体質の人ですが、エネルギーの送信が得意な逆エンパスも存在します。
逆エンパスは、共感させる体質とも呼ばれ、周囲への影響力が高い傾向もあります。
- 普通にしているのに「生意気」「態度がでかい」と言われる
- ガラガラのお店に入ると後から混み始める
- 夢中になって取り組んでいると周りが真似しだす
- リーダーのポジションにつきやすい
といった特徴があります。
エンパスの特徴には当てはまるけど、自分のイメージはもっとアグレッシブなんだよな~
という人は、逆エンパスかもしれません。
集団全体とつながる「全体認知能力」


エンパスのつながる対象は、身体や感情だけでなく、規模感の違いもあります。
- 集団全体とつながるタイプ
- 個人とつながるタイプ
集団全体とつながる能力は「全体認知能力」と言います。
パーティ会場に入ると、特定の個人と親密になるよりも、全体のバランスが気になり、話に参加できない人に自然と声をかけたりします。
「私とあなた」よりも、「私たちとあなた」という関わり方を好む傾向があります。
エンパスとHSPの違い
エンパスはスピリチュアル用語で、HSPは心理学用語です。
エンパス関連の書籍には、「エンパスはHSPをさらに敏感にした人」という定義が出てきますが。
私は、本質的な違いは目に見えないエネルギーへの着目だと思っています。
エンパスは学術的な研究は、まだまだ少ないので、これから新しい事実が解明されていくかもしれません。
その状況を踏まえて、私の個人的な見解としては、
高度な共感力というテーマを、それぞれ違う観点から、それぞれの用語を使い、解明している
です。
で、それぞれの専門家で大きく異なるのが、目に見えないエネルギーの扱い方です。
詳しい考察は下の記事をどうぞ。
エンパスで生きづらい人の特徴
エンパスが高い共感力をコントロールできない状態では、生きづらさを抱えやすくなります。
なぜなら、エンパスの共感力は常時オンがデフォルトだからです。
エンパスは防御をもたないために、ストレスの影響をもろに受けてしまう
LAの人気精神科医が教える共感力が高すぎて疲れてしまうがなくなる本
「エンパスは防御をもたない」というのは、なにもしなければ高い共感力に振り回されてしまう状態ってことですね。
その結果、次のような問題が起こります。
- 疲れやすい
- 依存症になりやすい
- 問題のあるパートナーを選びやすい
- 子育ての責任に押しつぶされやすい
- 仕事環境に左右されやすい
こうした問題は、共感力のコントロール方法を身につけていなかったり、深い心の傷を抱えていたり、といった原因が考えられます。
思春期までに高すぎる共感力や感受性をポジティブに発揮する方法を習得できず、他者を「読む」「同調する」といった方法に頼るしかなかった。
そんな傷ついたエンパスは、生きづらさを抱えやすいのです。
エンパスの「生きづらい」は意外と簡単に軽減できる
ここまで読んで、



エンパスの人生って、かなりハードモードじゃない?
と思ったかもしれません。
たしかに、自分の意思とは関係なく、勝手に他者と同一化したり、急に脳内に他者の感情が入り込んできたり。
とても疲れるし、外出するのも怖くなるし、人と接するのが嫌になることもありますね。
でも大丈夫です。
エンパスの「生きづらい」は、意外と簡単に軽減できるのです!
エンパスの生きづらさは、どこから来るのか?
これまで、たくさんの高共感体質の方とお話をしてきて、必要な対策は意外とシンプルだなぁ~と感じているんですね。
それは、気づくこと。
エンパスの生きづらさは、自覚がないこと、理解されないことが大きな要因にあるんですね。つまり、得体の知れないオバケと戦っているようなものなのです。
だけど、オバケの正体がわかれば、具体的な対策はどんどん工夫できます。
刺激を減らす、人と距離を取る、瞑想する、といった対策は細かいテクニックです。そのテクニックを効果的に取り入れるために、土台となるのが、共感に気づくこと。
共感力のスイッチを切り替える
とっても簡単にできるファーストステップは、共感力のスイッチをオフにするルーティンを1つ作りましょう。
「いまからスイッチオフ!」
と、自分でコントロールできる感覚を養う練習です。
お家のなかであれは、
- 部屋着に着替える
- お風呂に入る
- コンタクトを外す
- 手を洗う
- カーテンを閉める
- 花瓶の水を変える
など。
職場なら、
- 制服から私服に着替える
- タイムカードを押す
- 職場を出る
- ゴムで縛っていた髪をほどく
など。
こうしたアクションと連動させて、「いまから共感スイッチをオフにしよ」と自分に声をかけてみてください。
実際には、スイッチオフにしたつもりでも、帰宅する電車のなかで共感してしまったり、寝る前に見たドラマで共感してしまったり、必ずしもオフにはできないかもしれません。
ですが、スイッチオフの意識付けができると、日常の習慣も変えやすくなります。
そうすると、次の段階として、急行じゃなくて人の少ない準急を選ぶ、寝る前のドラマは控える、といったライフスタイルにあった、自分なりの工夫に発展できるんですね。
心の傷を癒して才能を開花させる
とはいえ、エンパスの生きづらさには、高い共感力によってできた根深い心の傷、トラウマ、コンプレックスも大きく関係しているので。
共感力のケアを進めて、才能を開花させる段階になると、強いブレーキがかかってしまうことも少なくありません。
この部分は、ひとりで向き合おうとすると、逆に自己否定を強めてしまう危険性もあるので、専門家も頼ってみてくださいね。
わたしもサポートさせていただきますよ。
それでは~