こんにちは、ももかですmomohsphss
久しぶりにエンパスの本を読み返していて、全体認知能力のセクションに目が留まりました。
著者のローズ氏によると、全体認知能力者とは個人とエンパシーでつながるより、一度にたくさんの人とスペースを維持することに生きがいを感じるそうです。
3年前くらいに購入して初めて読んだとき、「私だ!」と思ったんですよね。
改めて解説を読んでみると、エニアグラムの3つの本能型のうち、社会的本能型と共通点があります。
このことから、人には「あなたと私」と1対1を考えるタイプと、「私たち」と多くの人を考えるタイプという、2つのパターンがあることが明確になりました。
この記事では、エンパスの視点をメインにつながる対象という表現で解説していこうと思います。
「なんか馬が合わない」「会話が噛み合わない」みたいな感覚は、つながる対象の違いが原因かもしれません。
全体認知能力とは
エンパスとは高い共感力(エンパシー)を持つ人のことです。
参考:エンパスとは?共感力が高すぎて生きづらい人の特徴と才能開花の方法
そのなかで全体認知能力を持っていると、個人とエンパシーでつながるより、一度にたくさんの人とつながることに生きがいを感じます。
ある状況の全体とつながり、「あなたと私」という限定した世界より、多くの人を含んだ「私たち」という大きな世界の体験を好みます。
ローズ氏の表現で、スペースを維持することに生きがいを感じるとあるように、個人と強烈に共有するというよりも、スペース(空間)を維持してつながることを好むんですね。
パーティに参加したら?
全体認知能力を持つ人がパーティに参加したとき、主催者から見放されてポツンと一人で立っているゲストに意識が向きます。
もしくは、主催者が流れ作業のように挨拶しているように感じられて、居心地が悪くなるかもしれません。
会場の遠くにいる人を一目見ただけで、周りから聞こえてくる声の響きを耳にしただけで、空気感を察知してしまうんですね。
そして寂しそうなゲストに積極的に声をかけ、自然に自分の会話に引き入れていきます。
パーティが終了すると、「私はゲストなのに、出しゃばりすぎたかな?」と自分を責めたりします。
この状態は、エンパシーと全体認知能力が同時に働いたことによって起こる現象です。
エンパシーのバリエーション
ローズ氏の書籍<エンパシー>のなかで、全体認知能力について書かれているのは2ページ弱です。そこから察するに、全体認知能力はエンパシーのバリエーションだと解釈しました。
Q全体認知能力は、どうエンパスに役立つのですか?
A 一人以上の人たちと意識的につながって、エネルギー交流を行ったり、導いたりできます。全体認知能力は、エンパシー言語の中でも、最も価値ある言語です。
エンパシー
なぜ”最も価値があるのか”についての説明がないので、説得力には欠けますが。とにかくエンパシー(共感能力)のバリエーションのひとつだと言いたいことは伝わりました。
つながる対象の違い
エンパスの人がエンパシーを発揮する対象は、身体症状、感情、鉱石、植物など、さまざまです。そのなかで全体認知能力が指し示すものは「人とのつながり方」だと言えるでしょう。
エニアグラムでは、社会的本能型と性的本能型として取り上げられているように、人との関わり方には「私とあなた」と個人を強く意識するタイプと、「私たち」と多くの人々を強く意識するタイプがいるんですね。
エニアグラムの社会的本能型と全体認知能力は違うものだけど、現象としては似ている部分があります。
個とつながる

全体認知能力を持たない場合、1対1のつながりに意識が向きやすくなります。
パーティ会場に入ると、魅力的な「1人の誰か」を探し、ひとりの人との時間を強烈に体験します。エンパシーが目の前の「1人」に発揮されている状態ですね。
エンパスであれば、全体認知能力を持たなくても、パーティ会場で主催者から見放されてポツンと一人で立っているゲストに意識が向くと思います。
1対1のつながりを重視する場合、ビビッと意識が向いた「あなた」と「私」の限定された世界観を作り上げることに喜びを感じるのです。
意識が向いた瞬間に「目の前の個」と「私」の関係が完成するんです。
集団全体とつながる

全体認知能力を持つ場合、空間そのものとつながる感覚があると思います。
パーティ会場でポツンと一人で立っているゲストに意識が向いたとき、頭の片隅には「パーティという企画がスムーズに進行するために必要な条件」のようなものが浮かび、その空間全体として成立させることを考えるんですね。
目に見える行動としては個人に話しかけていますが、感覚的にはパーティに参加している「人々」のなかにいる「あなたと私」という感じ。
本来つながっている対象は、空間そのものなんです。または集団全体とつながっているとも言えます。
個のつながりが薄くなる
全体認知能力は客観的に状況を把握できるんですが、個のつながりが薄くなります。
集団全体とつながっているので、逆に1対1で親密な関係を築くことに抵抗感を抱くことがあるんですよね。
一度にたくさんの人とつながることに生きがいを感じるので、特定の個人と関係を深めることに苦手意識を持ちやすくなります。
エンパスは高い共感力があるので、コミュニケーションは問題なく見えるんですよね。だから表面上は社交的で人付き合いも良いんですが、個々の付き合いになると急に距離感がわからなくなる。
個のつながりを求める人からすると、「何を考えているのかわからない」「他人に興味がない」と思われるかもしれません。
全体認知能力者からすると、個のつながりを求める人は押しが強くて馴れ馴れしいと感じるかもしれません。過剰に距離を詰めてくる感じがあって、身構えたりね。
全体認知能力の活用場面
ローズ氏は、全体認知能力を目的意識をもって活用すると、次のようなことができると説明しています。
- グループ全員を魅了して、話し、教え、演技し、歌い、踊ることができる
- 一人も仲間外れを作らずに、大きな家族集会を取り仕切ることができる。しかも、それほど疲れずに
- どんなタイプのグループでも、導くことができる。職場でも、教室でも、全員が仲間だと感じられる
- チーム作りができる。それぞれの長所を活かして、互いにサポートできるように援助する
- 大勢の人のことを、あなたのマインドやハートの中で一度に想うことができる
「目的意識をもつ」というのがポイントですね。無自覚では振り回せれてしまうことも、自覚したうえで意図をもって使えば有効活用できます。
この記事を読んでピンと来た人は、つながる対象の違いを知ったうえで使い方を工夫していきましょう!
参考文献