こんにちは、ももかですmomohsphss
心の境界線とは、どこまでが自分で、どこからが自分以外か区別するものです。
臨床心理学者のヘンリー・クラウドとジョン・タウンゼントは、責任の所在をはっきりさせるものだと言います。
境界線(バウンダリー)という書籍で下記のように説明しているんですね。
境界線は私たちを定義します。何が私であり、何が私でないのか、その範囲を明確にします。私がどこで終わり、他の人がどこから始まるのかを示します。
境界線(バウンダリーズ)
でね、私は自分がHSP気質の持ち主だと知って、生きづらさの克服に乗り出したころ。
HSPは境界線が薄く、他者の要求を必要以上に飲み込んでしまう
みたいな説明を目にして、「そっか、嫌なことは嫌って、はっきり言わなきゃ。しっかり境界線を引かなきゃ!」と思ったのです。
それで家族との連絡を絶ってみたり、強い口調で断る練習をしてみたり。そんなチャレンジをしていた時期があります。
でもですね、実は境界線って「断る」だけじゃないのです。
いま改めて考えてみると、当時の自分に「違う方法もあるよ」と言ってあげたいな~なんて思います。
なぜなら、境界線を引かなきゃ!と思う人ほど、境界線を引きすぎている可能性があるから。
心の境界線は「引く」のではなく「明確にする」
境界「線」という言葉から、自分と相手の間に線引きするようなイメージを持ちやすいんですが。

ヘンリー・クラウドとジョン・タウンゼントは、境界線(バウンダリー)のなかで「明確にする」という言葉を使っているんですね。
ちょっとググってみたら、バウンダリーは「境界、限界、限度」といった意味の英語でした。日本語で翻訳されるときに、境界線になったのかもしれません。

日本語では、「曖昧な関係から一線を引く」なんて言うし、ボーダーライン、線引き、みたいなイメージが強くなりますよね。

私は当初、そう思ってました
たしかに、境界線(バウンダリー)という書籍では、NOと言うことの大切さが書かれています。
ただ、それは破ることが決して許されない絶対的な法律ではなく、まるで生き物のように柔軟な変化を伴うものなのです。
境界線の問題は「NOと言えない」だけじゃない!


境界線の問題は、「NOと言えない」だけでなく、相手の好意に対して「Yes」と言えない回避型もあるのです。
境界線の問題の要約
- 「いいえ」と言えない:迎合的な人
-
罪悪感を覚えたり、他者によって支配される。境界線を設定できない。
- 「いいえ」を受け入れない:支配的な人
-
強引あるいは操作的に他者の境界線を侵す。
- 「はい」と言えない:無反応な人
-
愛する責任に対して境界線を引く。
- 「はい」を受け入れない:回避的な人
-
他者からの愛を受け取ることに対して境界線を引く。
参考文献


良いことに対して「NO」という回避的な人
なんとなく境界線の問題って、「いいえ」と言えない迎合的な人をイメージしませんか?
罪悪感から相手の言いなりになって、つい世話を焼きすぎてしまったり、限界を超えて過度な要求を受け入れてしまったり。
ところが実際は、「はい」を受け入れられないことも、境界線の問題になるのです!
回避的な人は、相手から優しくされたり、手を差し伸べられても
とんでもない、私なんて後回しでいいから。必要ないわ。
と、受け取り拒否しちゃうんですね。
相手は、あなたに手を差し伸べているのに、良いことに対して「NO」と言ってしまうのです。
実はですね、「いいえ」と言えない人は、必要なところで「はい」を受け入れない回避的な人でもある、そんな可能性があるのです。
境界線の問題は4つに要約されますが、実際は
「迎合的で回避的な人」
「支配的で無反応な人」
というように、「はい」と「いいえ」どちらも適切に使えていない人もいるのです。(というか、このパターンけっこう多い気がします)
境界線は塀ではなく呼吸
ヘンリー・クラウドとジョン・タウンゼントは、回避的な人に対して、「境界線を塀だと勘違いしている。境界線は呼吸だ。」と言っています。
刑務所の壁のように、厚く固く冷たいコンクリートのような。そうした塀は、良いものも悪いものも内側に入れることができません。
そうではなく、呼吸のように循環できるものなんですね。良いものを取り入れ、悪いものを吐き出す。
私は、在り方を明確にするものが境界線(バウンダリー)だと思っています。
境界線は言葉だけでなく、
- 身体的境界線
- 感情的境界線
- 時間的境界線
など、身体や態度といったノンバーバルな部分も使っていくものなんですね。


境界線の作り方は下の記事でも解説しているので、あわせて読んでみてください♪
境界線を引くときに意識したいこと
境界線を引くことの重要性に気づいた人は、「No」と言う練習と一緒に「Yes」という練習もしてみましょう。
良いことに対して回避的になっていませんか?本当に必要な愛情に対して「No」と受け取り拒否していませんか?
バウンダリーには国境という意味もあるそうです。
自分という存在を一つの国のようなイメージで、
・どんな方針で運営していこうかな
・どんな人たちに訪れてほしいかな
・これは許せないというルールはどうしようかな
・どこまでを許容範囲にしようかな
という感じで、「明確」にしていくことで、自分を大切にしながら心地よい関係も築けるようになりますよ。